「うわぁぁぁぁぁ」
ドスドスッと何かが崩れ落ちる音とともに、悲痛な叫び声がハピネス不動産・芝浦百代橋支店のオフィスに響いた。
「何やってんのよ、神田さん! 気をつけて取らなきゃダメじゃない」
森ちゃんがすかさず立ち上がって、棚から崩れ落ちたファイルの山に埋もれている神田さんに言った。
「すみません、下の方から資料を抜こうと思ったら、いきなり崩れてきまして」
ファイルの山から必死に抜け出した神田さんは、汗だくになりながらしきりに頭を下げた。
「いや、森ちゃん。神田さんのせいばかりじゃないぞ。そもそもこのオフィスには、ファイルやら紙の資料やらが多すぎるんだよ」
店長の山下が、森ちゃんだけではなく、スタッフ全員に聞こえるような声でそう言った。
「物件情報や資料はきちんと整理もせずにファイルにつっこんであるし、ファイルはファイルで棚の上に無造作に重ねてあるだけだし。俺に考えがある。閉店したあと、全体ミーティングの時間をもらえないかな」
山下の「考え」とはこうだった。
これから数カ月をかけて、芝浦百代橋支店のペーパーレス化を目指す。そこで力を発揮するのが、今回導入した「コアフィードMC860dtn」だ。コアフィードMC860dtnには、業務におけるペーパーレス化を実現できる様々な機能が付いている。例えば「スキャン To PC」の機能を使えば、紙の物件資料をデータとしてパソコンに保存しておける。顧客や他店舗から情報照会があれば、保存したデータをメールに添付して送ればいい。紙資料が減ればオフィスの省スペース化になるし、ファクスを使わないから通信費の削減にもなる。
どうしてもファクスで情報を送ってほしいという要望があれば、「ペーパーレスFAX」の機能を駆使して、パソコン上のデータをダイレクトにファクスすればよい。プリントアウトの手間が省けるし、用紙代も抑えられる。
データ化していない情報をメールで送りたい時は、「スキャン To メール」の機能を使って、コアフィードからダイレクトにメールを送ることもできる。これも通信費の削減につながるだろう。

「つまり、これまで紙とファクスでやり取りしていた情報を、可能な限りデータとメールに置き換えるということだ。名付けて、“芝浦百代橋支店ペーパーレス化プロジェクト”!」
山下のデスクの周りに集まっていたスタッフたちは、「なるほど」と口々につぶやいた。そんな中で、一人反論したのは森ちゃんである。
「でも店長、私たちの仕事で紙を使ったコミュニケーションは必須ですよ。お客様に物件情報をお見せする時は紙じゃないといけないし、紙の資料として保存しておかなければならない情報も決して少なくないと思うんです」
「もちろんその通りだ。俺だって、紙を一切残さないと言っているわけではないし、プリントアウトの必要がないと言いたいわけでもない。大切なのは、重複している物件情報を整理し、当面紙として保管する必要がないものをデータにしておくことでオフィス環境をすっきりさせること。それから、いろいろな無駄を省いてコストを下げることだ。当然、紙を使うべき場面は絶対にあるし、プリントすべきものはどんどんプリントしていいと思う。ペーパーレス化によって、お客様や他店舗とのコミュニケーションがおろそかになったら、本末転倒だからな」




