美酒爛漫 秋田銘醸株式会社 MICROLINE Pro 930PS-X 活用レポート
プロフェッショナルのためのハイエンド・カラーページプリンタ MICROLINE Pro 930PS-Xはどのようなシーンで活用されているのか。
秋田県を代表する酒蔵。創業は1922年。良質の米と豊かな水によって造られる秋田の酒を全国に売り出そうと県内の主な酒造家、政財界人などの有志が集まり、大量生産可能な近代企業として出発した。現在は、コンピュータ管理のもとに完全に自動化された「御嶽蔵」、昔ながらの手造りを中心にした「雄勝蔵」というふたつの蔵を擁する。ブランド名「美酒爛漫」は1923年に一般公募によって決定された。低温長期醸造法の酒造りに適した雪国の気候風土と、頑固・実直な秋田・山内杜氏の伝統的な酒造りの技。自然・技・米の三位一体から生まれる「美酒爛漫」は、雪国育ちの秋田美人を想わせるやわらかで温和な旨口が特徴。秋田銘醸では、大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒、純米酒、普通酒、古酒、贈答用酒、季節限定品、蔵元直送品など日本酒製品のほか、焼酎や健康サポート飲料も生産している。
Key Person 03

阿部貴吉さん
資材課係長。1990年入社、資材課に配属となる。ここは社内で必要となる資材の購入・管理を担当する部署で、「力仕事からフォークリフトの運転まで、なんでもやりました」。資材課では業務の一環としてオリジナル・ラベル作成も手がけていたが、当初は1000枚単位の受注に限っていた。それをプリンタ活用により、小ロットから受け付けるようにしたのは阿部さんの発案。
小ロットのオリジナル・ラベルに対応するプリンタの小回り
秋田銘醸では2008年秋にMICROLINE Pro 930PS-Xを導入。小ロットのラベル、ポスター、POP、プライスカードなどの制作に活用している。たとえば、会社の創立記念や個人の結婚式などの折に、特別なラベルをあしらったお祝いのお酒を配りたいという要望がある。通常の印刷ではコストがかさむので、まとまった量でないと引き受けられない。しかし、プリンタ出力なら数十本から手配が可能だ。
「社内にカラープリンタを導入し、小ロットのオリジナル・ラベルに対応するようになったのは、今から10年くらい前です。単なる商売として考えたわけではなく、『一人でも多くの方に爛漫の味を知っていただく』きっかけになればと思ってのことです」
そう述懐するのは資材課の阿部貴吉係長だ。
最初に導入したのはインクジェット方式のプリンタだった。しかし、水濡れに弱いという問題点があった。とくに冷酒の場合、瓶ごと氷水に漬けたり、冷蔵庫で冷やしたものに水滴がついたりする。インクジェットの出力はいくら耐水性の用紙といっても、やはりある程度は滲んでしまう。
「その後、レーザープリンタに換えてこの問題は解決したのですが、今度は故障が多くて困りました。地元のIT代理店に相談したところ、『それならばOKIデータ製のものはどうでしょう』と薦められたのです」

和紙にもきれいに出力でき、何枚刷っても色が安定

秋田銘醸では、まずデモンストレーション用のプリンタ(MICROLINEの先行モデル)を借りて、性能や使い勝手を試した。
「結果は満足の行くものでした。これはいけるということで、新機種のMICROLINE Pro 930PS-Xがリリースされるとすぐに導入を決めました」
ラベルに使用する用紙はさまざまだが、なかでも風情があるのが和紙だ。秋田銘醸では製紙メーカーから「手漉き和紙耳付ラベル」を取り寄せて使っている。 A4判でラベル4枚分が配されており、プリンタ出力した後手でちぎれば、紙繊維の縁が独特の風情を生むラベルができあがる。
「和紙なので表面がデコボコしていますが、MICROLINEだときれいに色が乗りますし、紙送りにもトラブルがありません。また、出力の調子が安定しているのも嬉しいですね。以前に使っていたプリンタは、和紙繊維がドラムに付着して不具合を生じたり、トナーを換えた直後、発色が定まるまで何枚も出力しなければならなかったりしたのですが、MICROLINEは1枚目からキチンと色が出ます」
居酒屋の宣伝や問屋のブランド戦略にも一役

記念品や贈り物用の特注ラベルに加えて、秋田銘醸では酒蔵見学に訪れた人向けに特別販売するお酒用にも、MICROLINE出力のラベルを用いている。また、爛漫を扱っている居酒屋などから「自分の店だけのブランドをつくりたい」と相談されることもある。
「瓶の表に貼ってあるラベルはその店のオリジナルとし、裏側の商品表示には爛漫と明記します。これも爛漫を多くの人に味わってもらう一助となります」
これより大がかりになるのが、問屋(卸売り業者)が打ち出すオリジナル・ブランドの展開だ。他にはない独自商品で売上を伸ばす戦略で、問屋と秋田銘醸の営業担当者とのあいだでプランが決まると、阿部係長のもとにラベルの依頼が来る。

「私ともうひとりの社員で、基本デザインからテスト版の作成、実際のラベルづくりまで手がけています。他の仕事をしながらなので、結構忙しいですね」
デザインは市販の図案集を活用したり、社内に書道の名人がいるのでその人に書いてもらったものをスキャンして使ったり、いろいろと工夫をしているそうだ。ラベルのでき映えについては、顧客からの評判も上々だという。
「ちょっと困るのは『高級感を出したいので、デザインに金や銀を入れてほしい』という要望ですね。そうなると、さすがにプリンタでは対応できませんから」と、阿部係長は苦笑する。
ラベルのデザインはデータで保管しているので、刷り増しも簡単だ。たとえば、問屋のオリジナル・ブランドで最初は市場調査的に売りだし結果を見てから本格販売などという場合も、プリンタ出力ならば臨機応変の対応ができる。
大判ポスターさえプリンタで作ってしまう
プリンタの用途は、ラベル作りばかりではない。爛漫の会員組織「美酒倶楽部」(コラム参照)の会報づくりにも活用されている。また、スーパーなどで爛漫を販売する際、「通常のポスターではなく値段を明示したものを貼り出したい」と言われることがあるが、これにもプリンタ出力で対応している。さらに展示会などで貼り出す大判のポスターも、A3判で出力したものを複数枚貼り合わせて作ってしまう。
「プリンタなら、大きなサイズのデータを分割して出力できるので便利です。以前、印刷で作ったポスターが足りなくなり、慌ててカラーコピーを取って間に合わせたことがあったのですが、そのときに比べるとMICROLINE出力のほうがずっと楽で、遥かに精度が高いですね。また、長尺紙を用いてキャンペーン用の幟(のぼり)を、プリンタで打ち出してみてはどうだろうと、こちらは現在検討しているところです」
アイデア次第で、まだまだMICROLINEの使い方が広がりそうだ。

- ※ 当社推奨紙以外で印刷する場合には、印刷品質や用紙の走行性など、事前に十分にテストを行い支障がないことを確認してからご使用ください。
会員向け「季刊誌」制作でも活躍
秋田銘醸では、商品の購入者を対象に入会費・年会費無料の「美酒倶楽部」を運営している。会員には、メールマガジンが配信されるほか、紙媒体の「季刊誌」が送られる。「季刊誌」はA3判両面カラー印刷で、美酒爛漫に関する情報・商品の紹介・酒造りに関するニュース、懇意にしている作家や『らんまんラジオ寄席』(※)に出演する落語家の寄稿などを掲載。なかなか楽しい誌面だ。この「季刊誌」の制作にもMICROLINEが活用されている。以前は印刷所から色校正を取っていたのだがこれをプリンタ出力で代行。印刷所に協力してもらいカラープロファイルを合わせているので、色のズレが生じることもない。これによってコストも手間も大幅に省略するができたという。ちなみに、同誌の編集作業はすべて社内で行われている。東京出張所と本社で手分けして原稿依頼や写真撮影を行い、素材が揃ったところでPDFファイルにし、本社資材課の阿部係長が最終仕上げをして色校正をプリンタ出力する。これを社長に確認してもらった上で、印刷所に入稿するという流れだ。
- ※『らんまんラジオ寄席』:TBSラジオをキーステーションに、美酒爛漫(秋田銘醸株式会社)の一社提供で放送されているラジオ番組(関東・東北エリア)。
text : Shinji Maki photo : HARUKI

