株式会社BCN MICROLINE Pro 930PS-X 活用レポート
プロフェッショナルのためのハイエンド・カラーページプリンタ MICROLINE Pro 930PS-Xはどのようなシーンで活用されているのか。
1981年8月に「コンピュータ・ニュース社」として創業。マーケティング事業とメディア事業(紙媒体およびWEB)を展開している。マーケティング事業においては、全国の家電量販店、PC専門店のPOSデータから実売台数を毎日集計し、PCやデジタル家電のマーケティングデータ「BCNランキング」を提供。
メディア事業においては、「BCNランキング」をベースに編集したデジタル生活応援情報誌『BCNランキングマガジン』とIT業界向けビジネス専門誌『週刊BCN』の発行、これらメディアと連携するWEBサイト「BCNランキング」「BCN Bizline」を運営している。また、社会とIT産業の発展への貢献を目的に、「BCN AWARD」「BCN ITジュニア賞」を主催。
「BCN AWARD」は、全国の量販店のPOSデータを集計し、PCやデジタル家電など各部門別に、年間で最も販売台数(本数)の多かったベンダーを表彰するもの。「BCN ITジュニア賞」は、IT産業に多くの優秀な人材を招き入れるため、IT技術に取り組む優秀な若者たちを表彰するものである。
Key Person 01

藤井ユキさん
『週刊BCN』編集グループデザイナー。BCNに勤務して約20年。整理部記者として誌面レイアウト、デザインワークが手作業だった時代からキャリアを積む。DTPの導入にあたっても現場の中核として陣頭に立つ。
タブロイド紙の編集確認作業にカラープリンタをフル活用
BCNでは、2009年7月よりMICROLINE Pro 930PS-Xを導入し、『週刊BCN』のDTP編集確認作業に活用している。
『週刊BCN』はタブロイド版のITビジネス専門紙。1981年10月の創刊(当時の紙名は『BUSINESSコンピュータニュース』)だから、すでに28年の歴史と実績を有している。IT業界のビジネスパーソンを読者層とし、現在の発行部数は1万7000部。創刊から長らくタテ組・モノクロで発行してきたが、2000年4月にヨコ組・カラー4色に刷新し、よりビジュアルに重きを置いた紙面構成となった。
「実を言うと、2000年にカラー化に踏みきったあとも しばらく、手作業でレイアウト指定をしていました。DTP化に踏みきったのは、2004年のことです」と語るのは、同紙のデザインを手がける藤井ユキさんだ。
デザインワークに関してはベテランの藤井さんだが、デジタルとなると皆目見当がつかなかった。また当時、社内にも詳しい人間はいなかった。結局、DTP化にあたっては印刷会社に勧められるままにPCやソフトを導入した。プリンタもその例外ではなかった。

「そのとき揃えたものを6年間ほど使い続けたのですが、さすがに機器もソフトも古くなってくる。入れ替えの検討をはじめたのは2008年の後半。より効率的で安定したシステムを求める一方で、なるべくコストを抑えてくれという経営側からの要請もあり、そのバランスをどうとるか。デザイン・印刷業界に精通した販社とつきあいがありましたので、そこと相談して機材の選定を進めていきました」
ブラインド・テストで高画質を判定
その当時、『週刊BCN』編集グループが使っていたプリンタはOKI以外のカラーページプリンタ。画質面では満足していたが、プリントスピードが問題だった。次機種を検討する上で、現状もしくはそれ以上の画質を実現でき、プリントスピードが速く、コストパフォーマンスに優れたカラープリンタがあれば、それに越したことはないと考えた。
「最初の検討段階ではこれまで使ってきたメーカーの後継機も含めて4機種が候補にあがりました。そこからさらに2機種に絞り込み、出力のサンプルを比較した上で採用する機種を決定したのです」
販社が各メーカーのプリントサンプルを手配。先入観を排するため、どのサンプルがどの機種のものかを伏せたまま、藤井さんを含めた編集グループの4人が、「画質が良い」と感じた方に票を投じていく。結果は3対1で、MICROLINE Pro 930PS-Xに軍配があがった。

実際の印刷物との整合性こそが最も重要

『週刊BCN』編集グループが、カラープリンタの画質に神経質になるのには理由がある。BCNではWEBでの情報提供もおこなっているが、『週刊BCN』は紙媒体ならではの視認性を活かした見やすさと分かりやすさを追求している。カラーの表現性もそのひとつのポイントと言えよう。モニタによって色味が左右されるWEBとは異なり、紙媒体では安定した色味を伝えられる。同紙はPCで完全入稿データであるPDFを作成し、それを印刷所にわたす。色の仕上がりもこのデータで決まってしまうので、その確認を行うカラープリンタの画質が問われるのだ。
「印刷会社では、私たちがプリンタで出力されたものに準拠して、実際の刷り上がりの色味を調整していきます。MICROLINE Pro 930PS-X導入後、印刷会社から疑問があがってきたことはありませんね。そもそも、印刷会社の人たちは、当社のプリンタがMICROLINEに変わったことも気づいていないでしょう」
『週刊BCN』には、メーカーやベンダーのさまざまな広告が掲載される。印刷前にクライアントに色校正を提出して確認をしてもらうのだが、この色校正の出力もMICROLINE Pro 930PS-Xで行っている。これも、実際の印刷仕上がりとの整合性がとれていればこそだ。
トラブルのない安定稼動 ストレスを感じさせない迅速さ
『週刊BCN』の編集においては、完全入稿データとなるまで最低4回の校正を行う。週刊だからスケジュールはかなりタイトで、校正のタイミングにトラブルが生じると致命的だ。プリンタの安定性が問われる由縁である。
「本紙の編集長がプリンタに詳しい人なんです。『MICROLINEが採用しているシングルパス方式(※)は故障が起こりにくいというメリットがある。また、OKIデータはサポートがしっかりしており、何かあったらすぐに対応してくれるよ』と助言してくれました。これも導入の決め手になりましたね。実際、MICROLINEは導入以来、機械的なトラブルは発生していません」
藤井さんたちは原稿を受けとると、1時間半ほどでデザイン~レイアウトを行い、最初の校正をプリンタで出力。原稿を書いた記者がこれをチェックすれば「初校」が完了。その後の「再校」「三校」は社内の校正担当者が行い、最終的な確認である「責了」「下版」に至る。火曜日17時が印刷所へ完全入稿データを渡すデッドラインだ。

「『週刊BCN』は約40ページの紙面、責了のための出力は2部なので合計80枚前後。それ以外の出力もあるので、火曜日は最低でも100枚はプリントします。たいした枚数ではないと思われるかもしれませんが、高解像度の画像を数多く含んだ色校正出しに一分一秒を争っているときなので、出力の迅速さがポイントになりますね」
OKIデータのシングルパス方式は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一気に印刷するのでスピーディだ。その点でも、編集グループはMICROLINE を大いに気に入っているという。
- ※シングルパス方式:OKIデータのカラーページプリンタには、CMYK各色用の4つのヘッドを装備した4連DigitalLEDヘッドを搭載。用紙を1回通すだけで各色をプリントできるシングルパス方式により、カラープリンタの常識を覆す高速出力を実現しています。また、トナーの消費量を抑える「トナーセーブ機能」など環境への負荷を軽減させることが可能です。
A3ノビから名刺まで
現在、BCNではMICROLINE Pro 930PS-Xを『週刊BCN』編集グループの専用機にあてており、A3ノビ用紙に校正用のカラー出力を行うのが主用途だ。導入した当初は社員の名刺作りにも便利に使っていたのだが、週刊のDTP作業だけでもてんてこ舞いのデザイン陣にそれ以上の負荷をかけるに忍びなく、名刺はすべて外注になったそうだ。現在のところ、MICROLINEの編集作業以外の用途としては、営業ツールの作成がある。『週刊BCN』に連載した記事をまとめてA4判のパンフレットにするもので、DTPデータならこうした展開もお手の物だ。ちなみにMICROLINEシリーズには、パンフレット製本用の「フィニッシャユニット」がオプションで用意されており、拡張性も高い。BCNでは導入を検討中とのこと。

