プリンタの歴史
1943-1960

数字印刷電信機
1943年に開発された製品で、「本機は防空情報用として、航空機の侵入方向、時刻、機種、機数、進路等を数字によって受信し紙テーブに印刷すると共に、電気接点を制御して地図上にラムプ表示を行う。」との記録が残っている。

ページ式和欧文印刷電信機(テレタイプライタ)
1953年、OKI最初のページ式和欧文印刷電信機で、プリンタの歴史の起点となった製品である。 印字さん孔受信、不在通信等の機能を装備し、印字速度は50bps、1文字 6単位で約375字/分(約6字/秒)であった。

漢字テレタイプライタ
1955年、約2500種の漢字を鮮明に印字できることが特徴であった(プラテンと活字が止まって印字する静止印字方式のため)。印字部は4×25字の活字パレットが26枚円筒状に配置され、パレットを持ち上げ所定の活字をハンマーで叩いて印字するようになっており、活字の選択機構は差動歯車列により行っている。印字速度は120字/分(2字/秒)、現在の漢字プリンタの原点とも言える製品で、1992年まで現役で使用されていた。

OKITYPER-2000
1960年、従来からあった、さん孔タイプライタの小型化および多機能化のニーズから開発された、卓上型の多機能電動タイプライタである。印字はタイプバー方式で強力なインパクト力のため10枚程度の複写が可能で、印字速度は英数カナ文字で500字/分であった。小型卓上型にもかかわらず、印字・読みとり・さん孔機能を備えており、当時の顧客ニーズにマッチしオフィスのOA化に貢献したものである。この装置は、情報処理学会から、情報処理技術遺産に認定されている。
1961-1970

OKI最初のワイヤドットプリンタ(SIDM)
1964年、プリンタの印字方式が多数検討され、活字による印字方式しか世に無かった当時としては全く画期的と言えるドットの集合で印字を行う方式が開発された。当時は現在のように文字のパターンを電気的に記憶する方法など無かった時代であり、CGは80×50mmの鉄板に細かな孔をあけ5×7ドットで文字を構成している(CGには文字パターンとは逆に透孔があいており、CG鉄板をガイドパイプに通した35本のワイヤーに押し付けることにより、印字部では CGに孔が無い部分のワイヤーの先端が飛び出し印字を行うようになっている。 文字選択はCGを機械的に動かし選択する)。

ページ式印刷電信機OKITYPER(ET‐4500)
1965年、国際電信符号を使用する5単位電信回線端末機の高速化のニーズに対処するために開発された。印字部はワイヤを用いたタイプボックス移動印字方式で、活字のセレクション機構はユニークな2進差動レバー加算方式であった。送受信分配(5L- 2L,2L-5L)機構を初めて電子回路化し、高速化による受信マージンの確保、保守の容易性を実現した画期的な装置であった。通信速度は50、75、 100bpsに対処している。

2400bpsラインプリンタ
1966年、1200~2400bpsデータ伝送のサービスが開始されその端末装置として開発された。印字方式は従来からコンピュータの出力装置で実績のあったタイプベルト方式を採用しているが、機構の小型化を極限まで追及し、制御部は高価なコアメモリの代りに磁歪遅延線記憶装置(ディレイライン)を使用し、ラインプリンタとしては画期的な価格低減を図った製品であった。
1971-1980

オキエレクトロプリンタ(ELP)
1972年、全く新しい原理のノンインパクト形超高速ラインプリンタが誕生した。このプリンタの原理はインクミストに電界により制御されたイオン流を付着させて記録紙上に印字させる方式である。印字速度はANKモードで8000行/分、漢字モードで4000行/分。目にも止まらぬ速さで印字が行われた。

OKITYPER‐8000
1973年、現在のSIDM MICROLINEシリーズの技術の基点となる電子化されたインパクトドット・マトリックス方式のプリンタとして開発された。文字は5×7ドットで構成され、プリントヘッドは(現用のバネチャージ型とは異なり)7個のプランジャーの吸引動作より印字を行うようになっている。スペーシング、ラインフィード等はサーボモータを導入し高速化が図られている。 印字速度は80字/秒。当時のインパクト・ドット方式では世界最速であった。

DP‐100ドットラインプリンタ
1975年当時のラインプリンタは母形活字による一斉印字方式が主流であり、縦・横拡大文字、イメージモード等の機能を備えたこのラインプリンタは画期的な製品となった。機構部はシャトルバーに22個の1ピンヘッドを横一列に配列し、正弦速度の左右往復運動を与えることによりヘッド1個で6文字分を受けもたせ、6×22=132字の印字を行うようになっている。 1ドットライン印字後は、1ドット分用紙を移動させ同様に7ドット分繰り返し、1ラインの印字が完了する。

MICROLINE 80シリーズ
1979年、パーソナルコンピュータの普及に伴い高まってきた低価格、小型、軽量、高信頼性への要求に応えるため開発された、卓上型のシリアルインパクトドットプリンタである。国内向けに開発されたものが米国販売が急伸する事となり、MICROLINEという商標を取得して展開することとなった。永久磁石を使ったバネチャージ方式の小型ヘッドを採用し、簡素化されたメカニズム、エレクトロニクス技術の結集により、英数カナ文字で80字/秒の高速印字と低電力化が図られた。
1981-1990

DP-1000
1981年、電子計算機の出力装置、データ通信の端末機、オフィスコンピュータの出力印刷機などとして開発された。広範囲に使用できる、マルチヘッド方式を採用したドットラインプリンタであり、ヘッドを横に4個等間隔に実装したキャリッジユニットを左右に往復運動させながら印字し、漢字で125行/分の高速印字を実現した。

ML100シリーズ
1984年、小型、軽量、高性能、高品質、ローコスト、大量生産を実現したプリンタである。世界に先駆けて開発した小型リインキングリボン、他社に類を見ないキャリッジ搭載型自走式モータの開発・採用、カスタムLSI、デジタルサーボ技術、面実装基板の採用、自動化ロボットラインによる組立(現在は別形態に移行)と、当時の設計・製造の技術の粋を集めて開発された。その後もシリーズの開発・販売は継続され、累計販売台数は現在までに400万台を超える。

OPP6220
1985年発表。初代のフォトプリンタ(1981年、世界で最初のLEDプリンタ)に次ぐ、2代目のLEDプリンタ。 当時としては、小型、低価格で、日本語文書処理システムの出力端末として開発された(240dpi、A4、16ppm)。

ET-5320S
1986年、低中速、低価格帯域向けに開発された初の小型水平プリンタである。百貨店統一伝票に代表される複写紙など多種多様な媒体の「扱いやすさ」、「使用時の安定性」を追求した水平紙送り機構を有し、様々なアプリケーションに採用されることになった。伝票を意識して採用された一行印字数106文字という横幅は、以降小型水平プリンタの標準となった。現在では当たり前の「ソリューションの提供」をハードウェアの立場から具現化した先駆的製品である。主に国内、中国市場をターゲットとして開発された。

OL400/OPP6008
1989年、国内、海外向けに高印刷品質の低価格のプリンタが求められるようになり、一体型モールドシャーシをベースにねじレス、配線レスを実現すべく開発が進んだプリンタである。トナーリサイクル、オゾンレス帯電、寿命部品を消耗品化したメンテナンスフリーなどの先進技術が取り込まれた。独自のLED ヘッドも小型化され、プリンタ全体も小型、軽量化された結果、海外向けにA4用紙対応機としてOL400が初めて1000ドルを切った低価格NIPとして、国内向けにB4用紙対応機としては小型の幅広NIPが並行して開発された。高画質が特長で、これは一成分トナーと接触現像方式によるものであった。

MICROLINE 801PS
1990年、DTP(デスクトップ・パブリッシング)市場が急速に立ち上がりを見せる中で、アウトラインフォントを扱えるプリンタとして開発した。アウトラインフォントの世界標準としてはアドビシステムズが開発したポストスクリプトがデファクトスタンダードになっていた。国内、海外、両方の市場にポストスクリプトプリンタを提供できることが強みであり、A4用紙の版下に「トンボ」を付けるために、A4より大きなB4用紙サイズのサポートと、これに加え、400dpiの高解像度と、2段トレイを備えたMICROLINE 801PSはDTPの標準プリンタとしてタイミング良く受け入れられた。
1991-

MICROLINE 400
1993年、OL400の後継機として開発され、さらに小型、低価格、高印刷品位の要求に対応して開発されたものである。LEDヘッドが小型である特長を活かし、ページプリンタとしては世界最小の外形を実現すると共に、部品点数を大幅に減少させ、シンプルな構造とした。重合トナーを導入することで、高印刷品位を実現しながら、トナーリサイクルを実現した。コントローラは小型化を推進すると共に、RISC CPUを採用し、従来のCISC CPUに比べて2倍~8倍の性能アップを達成した。

ET‐8570(1,000万台達成記念品)
この写真のET‐8500は、1994年「MICROLINE」シリーズを発売以来1,000万台の出荷を達成した、製造番号10,000,000番の記念のプリンタである(印字速度は漢字モード[24×24]で160字/秒、漢字テレタイプが世に出て30有余年、印字速度は約80倍の速度を達成するに至った)。

MICROLINE 803PSII
1994年、国内市場ではA3用紙対応のポストスクリプトプリンタがずっと要望されていた。MICROLINE 803PSIIは他社レーザープリンタでは簡単には実現できない、A3「ノビ」用紙(A3より縦横とも約30mm大きい用紙)に印刷でき、印刷領域も広がって、A3「トンボ」印刷が可能となった。粒径の均一な重合トナーを使用して、A4横印刷で12枚/分の高速印刷を実現した。Type-1フォントを高速に処理できるType-1アクセラレータ・ボード、EtherTalkボードなどのオプションを備え、印刷処理速度、ネットワーク対応など目的に合わせてユーザーがプリンタシステムを構築できるように考慮された。

MICROLINE 4w
1996年、個人向けとして、Windows95に対応した、4枚/分の超小型プリンタである。小径感光ドラムとトナーリサイクル可能な独自の印刷プロセスを継承しながら、カセットを排除し、A4用紙より小さな設置面積(W310mm×D191mm)を実現し、机の上で使いやすいことが配慮されたデザインであった。コントローラもホストベースのWindows専用プリンタ言語を開発して、低価格で高速印刷を実現したのはコンピュータ性能の飛躍的な向上を抜きには語れない。

MICROLINE 905PSII
1997年、A3ノビ用紙に対応したポストスクリプトプリンタに世界初となるTrue1200dpiのLEDヘッドが搭載され、ポストスクリプトプリンタの高解像度化が一気に実現された。LEDプリンタではレーザー光学系に見られる補正レンズに起因する画像のゆがみが無い上、ポリゴンモータの回転速度の限界による印刷速度の制約も起こらない。一方、印刷データが飛躍的に大きくなるため、制御部の高速化が必須となり、本機ではRISC CPUを採用して、複雑で膨大な印刷データの処理を高速化し、スループットの向上を実現している。

MICROLINE 8c
インターネット環境の普及で、オフィスでもカラー化が急激に進み、カラードキュメントを容易に作成できる環境も整備されたが、フルカラープリンタの印刷速度は遅く、オフィスの本格的な印刷用途には不十分であった。このため、高速化に適した、独立した4つの光源とID(イメージドラムユニット)を水平に配置して1回の通紙で4色を同時に印刷する、タンデム方式のカラープリンタの開発を永年続けて、一つずつ着実に技術課題を解決した結果、1998年、A4用紙対応ながら、印刷速度が8枚/分を実現した、初めてのカラー機として出荷が開始された。現在のカラーシリーズの技術は本機がベースとなっている。